大学入試センター試験の感想(数学ⅠA)
2017-01-22

センター試験を終えた高校3年生の生徒の授業をしてきました。
この生徒には、模擬試験の過去問や、センター試験の過去問をずっと解説してきましたが、今回は数学ⅠAとⅡBの大学入試センター試験問題の分からないところを解説してきました。
まえもってセンター試験の問題は解いてきておいたので、自分で解いてきたノートを生徒に見せながら、わからなかった個所やポイントを説明しました。
それで、教えている生徒が戸惑った部分の問題の解説を一応しときます。
長文になりそうなので、今回は数学ⅠAだけ、それもいちぶぶんのみです(^_^;)
数学ⅠA
第1問・・・ノハの解き方
最後の頂点のy座標の最小値を求める問題。
t=a2より、t≧0という条件を見落とさないように。
y=9t2+24t+16=9(t+4/3)2・・・①
のグラフは、頂点(-4/3,0)をとおる下に凸の放物線ですが、t≧0ということから、t=0のときに最小値をとります。
よって、①の式にt=0を代入するとy=16となりますので、ノハ=16となります。
第2問は特に問題なかったようです。ただし、ソ~チの分散・共分散のところは、生徒はあまり勉強していなかったらしく解くのに苦労したそうな。
第3問・・・確率の問題
あたりが2本、はずれが2本の合計4本のくじから、A、B、Cの3人が順番にくじを引き、引いたくじは元に戻さないという問題ですが、落ち着いて文章を読んでみると、
「A、Bの少なくとも一方があたりを引く確率」
「B、Cの少なくとも一方があたりを引く確率」
「A、Cの少なくとも一方があたりを引く確率」
は、順番にかかわらず変わらないということを見落とさなければ、アイ、スセ、ソタの解答は同じになることに気付きます。
ここに気付かなければ、一つ一つ問題を解かなければならないので時間がかかるでしょうね(^_^;)
第4問・・・整数の性質の問題
(2)の問題は(1)の問題をヒントにして解くことになります。
すなわち、a=2,6という考え方をつかえば、c=2,6という事が分かります。
そして、c=2のときとc=6のときと場合分けをして解きます。
c=2のとき、7+b+5+2=b+14が9の倍数になればよいので、b=4
c=6のとき、7+b+5+6=b+18が9の倍数になればよいので、b=0,9
よって、個数は3個ですね。
この後の問題は、これが解けないと多分出来ません。逆に言うとここが解ければ、おそらく最後まで解けるでしょう。
(3)の最後の問題は面倒ですね。
1188を素因数分解すると22×33×11
3=2+1,11=23+2+1として、
正の約数の積の内訳を考えましょう。
(2×8個)×(22×8個)×(3×6個)×(32×6個)×(33×6個)×(11×12個)
これも8=23、6=2×(2+1)、12=22×(2+1)として、
2の累乗と、(2+1)の累乗をもとめて、展開すればいいのかな?
記述が長くなりそうなので省略します。
満点を目指す人向けの問題ですね。
第5問・・・図形問題
方べきの定理や、メネラウス、チェバの定理を利用して解けば、割と簡単です。
第2問も図形の問題ですので、図形が得意な生徒はこちらを選ぶ場合もあるでしょうね。
教えた生徒は第3問、第4問を選択して解いたそうです。
ですので、解説は省略しますね(^_^;)
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福島民報力だめし(2016数学39) ~1次関数の文章題~
2017-01-20
数学の39回目は図形の証明、1次関数の文章題ですね。【1】は特に解説するところはありません。【2】は解答に証明の例が載っているので説明は不要でしょうね。
ですので、【3】の1次関数の文章題から解説します。
【3】ダイヤグラムの問題
運行のようすがグラフになっています。縦軸をy(km)、横軸をx(分)としてみます。ただし、8:00のところを0として、9:00のところを60とみましょう。ここがポイントです。
(1)問題文から10分で6km進むので、60分だと6の6倍で36km進みますので、毎時36kmとなります。
(2)8:00A駅発の列車は、点(0,0)と点(10,6)を通ります。原点を通るので比例の式y=axにx=10、y=6を代入すると、この直線の式は、
y=0.6x・・・①
次に8:05B駅発の列車は、グラフより、点(5,6)と点(15,0)を通ります。A駅発の列車と速度は同じですので、傾きは-0.6となります。
y=-0.6x+bにx=15、y=0を代入するとb=9となりますので、この直線の式は、
y=-0.6x+9・・・②
①と②の連立方程式を解きます。
①-②より、
0=1.2x-9
↓
1.2x=9
↓
12x=90
↓
x=7.5・・・③
③を①に代入して、
y=0.6×7.5=4.5
よってA駅から4.5kmのところとなります。
(3)8:05分にA駅から出発しますので、点(5,0)を通ります。
また、毎分120mでB駅まで進むので、6km(6000m)離れたB駅に着くのは、
6000÷120=50(分後)
の8:55分です。よって、点(55,6)を通ります。
この2点を直線で結んで、他の直線と交わる箇所を数えてみます。
①A駅を8:20と8:30に出発した列車に抜かれますので2回です。
②B駅を8:05、8:15、8:35、8:45に出発した列車に出会いますので4回です。
【4】水を入れる量と水そうの深さとの関係を求める問題
(1)下の容器は、60×60×30=54000立法センチメートルですので、54リットル水が入ります。毎分9リットルの割合で水を入れるので、54÷9=6分後には下の水そうは満杯になります。
よって、xの変域は0≦x≦6ですね。
次にyをxの式で表します。
xが0(分)のとき深さであるyも0(センチ)ですので、比例の式y=axです。また、xが6(分)のとき、yは60(センチ)の深さになるので、x=6、y=60をy=axに代入するとa=10となります。
よって、直線の式はy=10xです。
(2)上の容器の体積は、20×20×60=24000立方センチメートルですので、24リットル水が入ります。毎分9リットルの割合で水を入れると、24÷9=8/3(3分の8)分後に満杯になります。
(1)のようにxの変域を表すと、0≦x≦8/3となるのですが、上の容器に水が入るのは6分後からですので、変域のそれぞれの値に6を足します。
8/3+6=26/3(3分の26)ですので、xの変域は、6≦x≦26/3となりますので気を付けましょう。
また、これもyをxの式で表すのですが、下の容器のことも考えなくてはいけません。
x=6のときy=60、x=26/3のときy=120となります。これを1次関数の式y=ax+bに代入して、a,bを求めます。
すなわち、次の連立方程式を解きます。
60=6a+b・・・①
120=26/3a+b・・・②
②-①より、
60=8/3a
↓
8a=180
↓
a=45/2(22.5)・・・③
③を①に代入、
60=135+b
↓
b=-75
よって、y=45/2x-75(y=22.5x-75)となります。
(3)水の深さが90センチなので、y=90を(2)で求めた式に代入してxを求めます。
90=45/2x-75
↓
165=45/2x
↓
45x=330
↓
x=330/45
↓
x=22/3となりますので、22/3(3分の22)分後が答えになります。
社会の要点整理の本を買ってきました。
2017-01-19

明日教える生徒(中学2年)が社会が苦手で、何を勉強したらいいかわからないというので、本屋で参考書を探してきました。
生徒の学力や勉強パターンから、簡単な一問一答形式の問題集でも探そうかとしましたが、私が最終的に選んだのは、東京書籍で出している「高校入試 要点ズバッ!」シリーズの社会でした。
要点整理の書籍は、旺文社や学研、富士出版などから出ていますが、他の冊子と比べて東京書籍を選んだ決め手となったのは、要点整理の部分と、一問一答形式の問題の部分とのバランスが良かったからです。内容も記載されている文章量も多い方だと思います。
要点整理の部分が文字だらけで敬遠する人もいるかと思いますが、私はあんまりスカスカしていると、ページ稼ぎをしているんじゃないかと変に勘繰る人なので、東京書籍のような記載の仕方は嫌じゃないです。
文章量が多いからなのか、定価が他の出版会社より若干高めの800円(税別)となりますが、数百円の差ですので、それはあまりデメリットとは言えないでしょうね。
発行の日付も2013年と比較的新しい方なのもいいですね。モノによっては発行年月日が記載されていないのもありましたが、そういったものは記述内容が古いままであったりしますので(中には追記がはさまれているのもありますが)、よほどの理由がない限り、私は選ばないようにしています。
デメリットは、これはもう資料や図、写真が皆無という点に尽きると思います。でも、私は生徒に教科書に載っている太字の部分をまず覚えさせたかったので、今回は資料や写真についてはあまり重要視しませんでした。
生徒がいま習っている欧米の近代革命から江戸幕府の滅亡までの内容がほぼ網羅されていますので、生徒に与えてみて、その感想を聞いてみるつもりです。来月の期末テスト対策にも使えればいいなあと思います(^-^)
福島民報力だめし(2016数学38)~連立方程式&図形~
2017-01-13
昨晩から今朝にかけてずいぶん雪が積もりましたね。家の前を雪かきして、職場の駐車場も雪かきしたら一日分の体力を使い果たした感じです(^-^;
さて、数学の解説ですが、38回目は連立方程式と図形(三角形、多角形の和)のところです。
今回の問題を解くのに必要なポイントは
・n角形の内角の和=180°×(n-2)
・外角の和=360°
・三角形の合同条件
です。忘れている人は習った内容をもう一度復習しておきましょうね。
それでは解説。
【1】連立方程式
(1)から(3)まではケアレスに気を付ければ大丈夫でしょう。
(4)は分数・小数を整数に直して計算します。
分数は30倍して、10x-6y=25・・・①
小数は10倍して、2x=3y・・・②
②を①に代入して、15y-6y=25→9y=25→y=25/9・・・③
これを②に代入して、2x=3×25/9=25/3→x=25/3÷2=25/6
x=25/6(6分の25)、y=25/9(9分の25)となります。
【2】多角形
(1)八角形の内角の和は、180°×(8-2)=180°×6=1080°
(2)外角の和は360°
(3)内角と外角を足すと180°です。一つの内角の大きさは一つの外角の4倍の大きさなので、外角5つで180°と考えます。すると、一つの外角は180°÷5=36°ですね。
36°の外角が10あつまると外角の和である360°になりますので、この正多角形は正十角形です。
【3】図形の角度を求める
(1)x=125-70=55°
(2)外角の和は360°なので、x=360-108-87-(180-75)=60°
(3)x=90+29+16=135°
三角形ABCと三角形BDCはともに、角DBC、角DCBを共有していると考えると、角xは角DBA、角BAC、角ACDの和と等しくなります。
(4)x=16+54=70°、y=180-62-70=48°
【4】連立方程式の文章題~その1
50円切手、80円切手をx枚、120円切手をy枚買ったとします。
枚数は、x+x+y=25→2x+y=25・・・①
代金の合計は、50x+80x+120y=1900→130x+120y=1900→13x+12y=190・・・②
①×12-②より、11x=110→x=10・・・③
③を①に代入してy=5
よって、50円切手10枚、80円切手10枚、120円切手5枚です。
【5】連立方程式の文章題~その2
去年の男子の人数をx人、女子をy人とします。
去年の人数は、x+y=730・・・①
今年の人数は、x×(1+0.05)+y×(1-0.06)=730-2
1.05x+0.94y=728、これを100倍して、105x+94y=72800・・・②
②-①×94より、11x=4180 → x=380・・・③
③を①に代入して、y=350
よって今年の人数は
男子:380×1.05=399人
女子:350×0.94=329人
です。
【6】証明問題は、模範解答が記載されていますので省略します。
福島民報力だめし(2016数学36)~図形の計量、方程式~
2016-12-26
数学の36回目は、方程式・図形の計量・連立方程式の文章題ですね。【1】の計算問題は特に解説するところがないので省略します。
ケアレスミスに気を付けてください。
【2】方程式や図形の小問
(1)比例式の問題
3x=4(x-2)を解きます。
3x=4x-8
-x=-8
x=8
(2)方程式の問題
x=-2を方程式に代入します。
5-(a+8)/3=-4
3倍して
15-a-8=-12
-a=-19
a=19
(3)角柱の体積と表面積を求める問題
角柱なので、(底面積)×(高さ)=6×8=48です。1/3をかけないように注意。
表面積は、(底面積)+(側面積)となるので、
底面積:6×2=12、側面積:10×8=80、12+80=92となります。
(4)半球の体積と表面積を求める問題
体積:4/3π×93=972π
半球なので972π÷2=486π
表面積:4π×92=324π
半球なので324π÷2=162π
半球の底面部分の面積:9×9×π=81π
162π+81π=243π
【3】円錐についての問題
(1)底面積:6×6×π=36π
(2)底面の円周:2π×6=12π
(3)側面のおうぎ形の面積は、10×10×π×12π/20π=100π×3/5=60π
よって、(おうぎ形の面積):(底面積)=60π:36π=5:3
(4)おうぎ形の中心角:360°×12π/20π=360°×3/5=216°
(5)表面積:(底面積)+(側面積)=36π+60π=96π
(6)体積:(底面積)×(高さ)×1/3=36π×8×1/3=96π
【4】方程式の文章題
(1)食塩水の問題
食塩の量をまず考えましょう。食塩水200g中に10%の食塩が含まれていますので、食塩の量は、
200g×10%=20g
ですね。
次に薄めた後の食塩水の量をxgとし、先ほどとおなじく食塩の量を考えます。今度は8%なので、
xg×8%=20g
という式ができます。これを解いて、x=250となります。
注意してもらいたいのは、200gの食塩水を薄める場合の水の量を聞いているので、求めた250から200を引かなくてはならないことです。
引いた残りの50gが答えとなります。
(2)果物の個数の問題
はじめ、なしをx個、桃をy個買う予定であったとします。
当初の予定していた代金は、
(150x+200y)円
でしたが、個数を取り違えたため、
(150y+200x)円
となりました。予定よりも250円高くなったので、式をつくると、
(150x+200y)+250=150y+200x
となります。整理すると、
-50x+50y=-250
50で割りましょう。
-x+y=-5・・・①
また、なしと桃の個数は合わせて15個なので、
x+y=15・・・②
①+②より、
2y=10、y=5・・・③
③を②に代入しx=10
よって、なし10個、桃5個となります。
(3)長いすと生徒数の問題
長いすをx脚、生徒数をy人とします。
長いす1脚に3人かけさせたら79人座れなかったので、
3x+79=y・・・①
次に、1脚に5人づつかけさせたら1脚だけ4人掛けとなったので、
5(x-1)+4=y
整理して
5x-1=y・・・②
①-②より
-2x+80=0
-2x=-80
x=40・・・③
③を①に代入、
3×40+79=199
よって生徒数は199人となります。